【ポストコロナ】コロナ危機を乗り越える事業戦略と「ポストコロナ」の事業戦略

新型コロナウィルスの流行で世界の経済活動・企業活動には大打撃

新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的大流行が、人類に大きな影響を及ぼしています。日本でも2020年4月7日に東京、大阪などを対象に緊急事態宣言が出され、4月17日には対象地域が全国に拡大されました。

人々の活動の縮小は、経済活動の縮小につながります。国際通貨基金(IMF)は、2020年4月に公表した「世界経済見通し」で、2020年度の世界経済全体の成長率が前年比マイナス3%と、1930年代の大恐慌後では最悪になるという予測を示しました。IMFは日本も前年比マイナス5.2%の成長率になると予想しています。

コロナ危機」で企業が考えるべき5つのポイント

「コロナ危機」は終息の見通しが立っておらず、長期対応が必要になるかもしれません。この状況下で企業がコロナ危機を乗り越えるために重要な5つのポイントをご紹介します。

(1).危機対応のコントロールタワーの明確化

新型コロナウィルスに関する状況は日々変化し、様々な緊急事態が発生しています。こうした状況に対応するため、企業は多様な意思決定を求められます。例えば、

  • 自社の社員に感染者が発生した。対外公表すべきか、勤務している店舗を閉鎖するか…
  • 営業自粛要請が届いた、強制力の無い「要請」に従うか

こうした課題に素早い意思決定を行うためには、社内に危機対応のコントロールタワーとなるチームを設置し、そこに権限と情報を集めることが必要です。

(2).資金繰りの確保、財務面での対応

コロナ危機下で売上が激減した業種が数多く存在し、資金繰りに苦しむ企業が増加しています。企業は売上減少を前提に当面の資金繰りをチェックし、早めに対応を行うことが必要です。公的な援助の申請や、金融機関からのつなぎ資金の借入など、考えられる資金繰りオプションを整理し、関係者と協議することが求められます。

(3).リモートワーク体制の整備

感染防止の観点からリモートワークを拡大することは必須です。環境未整備を理由に、リモートワークを先送りすることは、感染リスク拡大やそれを背景とした従業員の士気低下につながります。

インフラ、顧客ニーズなど、「できない理由」はいくつでも出てきます。しかしそれらがすべてクリアしてからでなければリモートワークは不可能という姿勢では、感染リスクを高めるだけです。やってみて問題がおきたら迅速に修正する、できるところだけでもやるという、トライ&エラーを許容する姿勢が求められます。

(4).オンラインマーケティングの整備

外出自粛の中で、顧客へのマーケティング手段におけるオンラインチャネルの重要性が増加しています。これまでオンラインでビジネスを行っていた企業も、いなかった企業も自社のオンラインチャネルでのマーケティングを強化することが重要です。自社のオンラインマーケティングについて顧客目線で現状評価をし、必要なところは見直すことが求められます。

(5).サプライチェーンの整備

コロナ危機によって、仕入れ先が休業したり、流通ネットワークに混乱が生じたりするなど、企業のサプライチェーンが大きな影響を受けています。従来の仕入れ先が機能しない場合に備え、在庫レベルを上げる、代替調達先を探すなどサプライチェーンを維持する策を講じることが求められます。

「ポストコロナ」の事業戦略

ウィルス感染が終息して、経済が元に戻るのに何年かかるか…というような論調を時々見かけます。しかし、「元に戻る」可能性は低いでしょう。コロナ危機下で生じた変化のいくつかは、恐らく不可逆なもので「元に戻る」ものではないでしょう。従って、「ポストコロナ」の時代に勝つためには、そうした不可逆な変化を踏まえた戦略をとる必要があります。

(1).ボーダーレス→ボーダーコントロール

過去20年に亘り、世界は急速にグローバル化し、ヒト・モノ・カネが世界中を高速で動き回っていました。しかしEUが国境を封鎖したことに象徴されるように、世界は一夜にして国境の存在する世界に戻ったのです。コロナ危機以前から、「アメリカ・ファースト」のような内向きの流れは現れていましたが、それをコロナ危機が加速させました。危機が終息しても、この再認識された国境は存在し、海外生産した製品を海外販売するようなビジネスモデルには修正が必要になるでしょう。

(2).脱中国依存

コロナ危機前から、米中貿易摩擦など中国に対する世界の視線は変わりつつありました。コロナ危機による中国の「封鎖」は、中国からの調達ストップという「サプライチェーンの問題」や、「中国市場での販売減による影響」といった問題など、中国依存のリスクを顕在化させました。ポストコロナにおいては、こうしたリスクをヘッジするため、「チャイナ・プラス・ワン」(調達先、販売先として中国以外にもう1か所開拓する)のような中国一本足からの脱却が求められます。

(3).働き方改革の加速

今回、多くの企業がリモートワークを導入し、多くの人が「思ったよりできた」という感想を示しています。
ポストコロナの時代においては、リモートワークはもはや特別なことではなく、その存在を前提とした業務の進め方や人材戦略が求められます。また、働き方の変化は自社の社員に限ったことではなく消費者の行動様式の変化でもあり、顧客行動の変化によるマーケティング戦略の見直しも必要になるでしょう。

(4).オンライン化・デジタル化の加速

上記、働き方改革の加速でも触れましたが、消費者のライフスタイルの変化はオンライン化、デジタル化の必要性を高めました。今後、様々な活動に対して「家でやる」ニーズが高まると予想され、オンラインでのサービスをストレス無くシームレスに提供することが、ビジネス上の成功要因として重要になるでしょう。

まとめ~「ニューノーマル」に備えるべき

ポストコロナで到来する「ニューノーマル」(新常態)では、現在の勝ちパターンは通用しません。現在の危機下では、生き残るために反応することが、まず最優先ですが、同時に生き残った後を見据えた動きも開始しておくことが経営者に求められているのです