【VRIO分析】強みとなる経営資源を理解し、組織戦略へ

分析するにあたり最初に取り組む分析としては「3C分析」を勧めています。
3Cとは「自社(Company)」「競合(Competitor)」「顧客(Customer)」の3つの要素から分析を行い「市場機会の発見」を行います。

この3C分析の要素の1つである「自社」を分析する際に「VRIO分析」がとても役に立ちます。

VRIO分析とは

VRIO分析とは、組織が持つ内部資源がどのくらい強みとなる可能性があるかを分析するためのフレームワークです。
ジェイ・B・バーニーによって提唱した理論であります。

経営戦略論としては、業界分析に基づいて良いポジションを取ることが「企業を成功に導く」と提唱したマイケルポーターのポジショニング論が有名ですが、それに対し、バーニーは競争優位の源泉は、「企業が持つ経営資源にあり」良い経営資源を持つことが企業を成功に導くカギであるとする、【RBV:リソースベーストビュー」の考え方を提唱しました。

その為、VRIO分析はRBVの考え方に基づいています。

経営資源を評価する4つの要素

VRIO分析は4つの要素で分析・評価することができます。

  1. 「Value:経済価値」
  2. 「Rarity:希少性」
  3. 「Inimitability:模倣困難性」
  4. 「Organization:組織」

VRIOフレームワークは、これらの要素を表す単語の頭文字をとってVRIOと呼びます。

これらの4つの項目は上に行くほど競争優位性を構築することがより必要と考えられています。
4要素について、1つずつ確認していきます。

価値(Value)

自社の経営資源に「経済的価値」があるか、「社会的価値」があるかといった観点で評価していきます。経営資源が顧客に対して、あるいは社会に対して価値があるかを明確に評価し、「自社の経営戦略に組み込める価値があるかどうか」を分析していきます。

希少性(Rarity)

経営資源にどれくらい希少性が高いか評価していきます。経営資源に希少性が低ければ厳しい市場経済で勝つことができません。また顧客からの支持も得ることができません。その為、経営資源の希少性は企業が市場で打ち勝つためにはとても重要です。

模倣困難性(Imitability)

「他者が容易に真似できない」もしくは「真似しようとすると莫大な投資やコストが必要となるもの」を指します。
また次の4つの条件を持つ要因は「資源の模倣困難性が高い」と言われております。

①「独自の歴史的条件」

独自の歴史的な偶然や出来事、蓄積によってもたらされた資源を指します。

かつて偶然取得した工場用地が歴史的な変遷を経て、今では他社に真似できない好立地となり不動産事業に活かせているなど、と言う例が挙げられます。
また海外の王室が愛用したなどの逸話や歴史を持つ老舗メーカーの資源の優位性もこの条件で説明することができます。

②「因果関係の不明性」

単純な因果関係では説明ができない資源を指します。
例えば日本企業の阿吽の呼吸のような暗黙知の文化や、すり合せ技術はなかなか外国の企業には理解しにくいものです。外部から見て、把握されにくい場合、競合優位性を発揮します。

③「社会的複雑性」

経営資源が社会的要因にて存在しているのかを指します。
物理的な仕様は分解等をすればある程度理解できますが、それを生み出したコミニケーションは、お互いに与える影響の度合いは非常に複雑で外部からは理解することが難しく模倣が困難です。このようにハードな要素より、ソフトな要素ほど真似しにくいと言われております。

④「特許による制約」

特許や特別な免許が必要な事業、業種・業態であれば、ビジネスの内容自体がシンプルでも真似されにくいとなります。

模倣困難性はVRIOにおいて重要な要素となっております。なぜなら「経済価値」や「希少性」が高い資源であり、なおかつ「模倣困難性」がある場合、自社の大きな強みとなり得るからです。

組織(Organization)

経営資源である「経済価値・希少性・模倣困難性」を有効に活用することができる組織能力のことです。
3つを活かせる組織能力が競争優位を持続させると言う考え方になります。他の3つの要素を使いこなすと言う意味合いであるため他の要素の性質とは異なります。組織能力の具体的な内容としては「個々人のスキルや能力」組織のマネジメントシステム」、「評価報酬体系」などが含まれます。

これらの要素は運用における細かなノウハウの蓄積が必要となるため、外側だけを真似してもうまく機能せず、競合が模倣することは容易ではありません。また組織能力は企業文化と一体になっている要素が大きいことも他者による模倣が困難な理由の1つなっております。

VRIO分析のやり方

一覧表での分析
すべての項目に対して分析を実施することができるため、不足している項目を可視化することが可能です。どの項目に対して、競争優位性があるのかを明確にできます。しかし、1つの経営資源を分析するのに時間がかかってしまうデメリットがあります。

フロチャートでの分析
フローチャートを使用することにより、時間短縮することができます。フローチャート方式ですと「NO」が出た時点で項目に対する評価が完了するため、情報量は最低限ですが、スピード感もって分析することが可能です。

その時その時の状況、経済資源に合わせた方法を取っていくことをお勧めします。

まとめ

VRIO分析は自社の強みを知る上ではとても便利なフレームワークとなっています、。しかし気を付けなくてはならない箇所もあります。

気を付けるポイント①:競争優位性を構築できるかを考えることが重要

優れた経営資源だけに頼ることなく、独自の競争優位性を築き続ける努力が必要となります。

気を付けるポイント②:既存の経営資源にこだわりすぎるとかえって足元を救われる

資源を用意したり、育てるには、ある程度の時間がかかります。その為、あらかじめ変化を予測した準備などが重要です。優れた経営資源を保有しているかと言う視点だけではなく、どのように生かすかと言う視点を持って分析を進めることが大切です。


また、VRIO分析は最も優位性のある経営資源(コア・コンピタンス)の理解にも役立ちます。自社と競合のコア・コンピタンスを点数化し、戦略を構築する際には大きな手助けとなります。